海外在住者が日本の住所を持つには?バーチャルオフィスの本人確認と各社の条件
結論:海外在住でも契約できる日本のバーチャルオフィスはありますが、本人確認の方法が国内在住者と違い、国内の代理人や保証人を求める会社があります。バーチャルオフィスは犯罪収益移転防止法の特定事業者で、契約時に住居を含む取引時確認をするためです。
今回確認した中では、レゾナンス(国内の代理人が必要)とNAWABARI(海外プラン・国内の保証人宅へ転送)が海外在住者向けの案内を出し、バーチャルオフィス1は日本在住者に限っていました(2026-11-01確認)。
次にやること:国内に代理人・保証人を頼める人がいるかを確認し、下の表の会社に必要書類を問い合わせます。
バーチャルオフィスの本人確認はなぜ厳しい?
バーチャルオフィスの郵便物受取サービスは、犯罪収益移転防止法第2条第2項第44号の特定事業者に当たります。警察庁JAFICの資料によると、郵便物受取サービス業者は、顧客に自分の事務所などを郵便物を受け取る場所として使うことを許諾する事業者で、その契約(役務提供契約の締結)が特定取引です。
特定取引のときは、次の事項を確認します(JAFIC資料)。
| 確認する事項 | 内容 |
|---|---|
| 本人特定事項 | 個人は氏名・住居・生年月日、法人は名称・本店又は主たる事務所の所在地 |
| 取引を行う目的 | 何のためにバーチャルオフィスを使うか |
| 職業・事業の内容 | 個人は職業、法人は事業の内容 |
| 実質的支配者 | 法人の場合 |
海外在住だと何が難しい?
JAFICの資料は、本人確認書類について「旅券等のように住居等の記載が必須とされていないものを除き、本人確認書類であるためには住居等の記載がある必要」があるとしています。現在の住居が本人確認書類と違う場合は、6か月以内の補完書類(納税証明書・公共料金の領収書・官公庁発行書類など)で確認します。
オンラインや郵送で本人確認をする場合(非対面)は、本人確認書類の画像やICチップの情報を受け取ったうえで、書類に書かれた住居あてに取引関係文書を転送不要郵便などで送る方法が例として挙がっています。海外の住所あてに転送不要郵便を送るのは難しいため、各社は国内の代理人を立てる方法などで対応しているとみられます。
本邦に在留していない外国人や外国に本店のある法人については、日本国政府が承認した外国政府や国際機関が発行した書類などを本人確認書類にできるとされています。ただし、どの書類で受け付けるかは各社の判断です。
各社は海外在住者をどう扱っている?
公式ページで2026-11-01に確認した記載です。記載がない会社は「要確認」です。
| 会社 | 海外在住者の扱い(公式の記載) |
|---|---|
| レゾナンス | 契約は可能。日本国内に住む方を「代理人」として立てる必要があり、代理人の本人確認書類・委任状などが必要 |
| NAWABARI | 海外プラン(月額プランA 3,000円〜・B 6,000円〜、税込)。直接海外への転送は行わず、国内の保証人宅へ転送し保証人宅から海外へ。保証人紹介制度あり |
| バーチャルオフィス1 | 利用は日本在住の方に限る。外国人は日本に住所があり長期の在留資格があることが条件 |
| GMOオフィスサポート | 日本国籍を有しない方が在留カード又は特別永住者証明書を提示しない場合は登録を拒否できる(利用規約) |
| DMM・METS OFFICE・Karigo・ワンストップビジネスセンターなど | 確認したページに海外在住者の扱いの記載なし(要確認) |
海外在住で日本の住所が必要になるのはどんなとき?
- 日本向けのネットショップを運営する:特定商取引法の表示で、連絡が取れる住所・電話番号が必要(特商法の住所の記事)。NAWABARIは海外プランを「海外から日本向けECを運営する日本人の方」に勧めています。
- 日本で会社を設立する:本店の所在地が必要(合同会社の設立)。バーチャルオフィス1は外国法人を代表社員とする合同会社の申込みを受け付けていません。
- 日本の取引先と郵便でやりとりする:契約書や請求書を受け取る住所が必要。
海外在住者がバーチャルオフィスを選ぶ手順は?
- 国内に代理人・保証人を頼める家族や知人がいるかを確認する。
- 本人確認の方法(代理人の書類・委任状、旅券の扱い)を会社に問い合わせる。
- 郵便を誰に転送するか(国内の代理人宅・保証人宅)と、海外へ送る方法を決める。
- 法人登記に使うなら、代表者が海外在住でも登記・口座開設が進められるかを法務局・銀行に確認する。
- 料金を比べる。NAWABARIの海外プランの初期費用は料金ページに別記がなく、全体の初期費用5,500円(税込)・保証金0円の記載のみです。
日本在住の人が契約する場合と比べると?
国内在住者なら、eKYC(スマートフォンで本人確認書類と顔を撮影する方法)や、本人確認書類の住所に届く簡易書留・本人限定受取郵便で手続きが終わる会社が多くあります。各社の方法は本人確認の記事にまとめています。
申込前に会社へ問い合わせることは?
海外在住者向けの手続きは、公式ページに全部は書かれていないことが多いため、申込前に次の点をまとめて問い合わせると、やりとりの回数を減らせます。
- 海外在住のまま契約できるか。できない場合、国内の代理人・保証人を立てれば契約できるか。
- 本人確認で受け付ける書類(旅券だけで足りるか、日本の住所が書かれた書類が必要か)。
- 代理人・保証人に必要な書類(本人確認書類・委任状など)と、代理人の責任の範囲。
- 郵便の転送先を国内の代理人宅・保証人宅にできるか。海外へ直接転送できるか、その料金。
- 法人登記に使う場合、代表者が海外在住でも申込みを受け付けるか。
- 解約の手続きを海外からできるか(オンラインのフォームか、書面か)。
NAWABARIは保証人紹介制度について「お問い合わせください」と案内しています。レゾナンスは代理人の本人確認書類や委任状などが必要と書いています。返事は書面(メール)で残しておくと、あとで条件を確認するときに役立ちます。
自分の条件(登記・特商法・郵便の量・電話・会議室・エリア)での1年目の総額は、トップの計算ツールで出せます。入力内容は送信されません。
よくある質問
- 海外に住んでいても日本のバーチャルオフィスを契約できる?
- 会社によります。バーチャルオフィス1は利用を日本在住の方に限っています。レゾナンスは日本国内に住む方を代理人に立てれば契約できると案内しています。NAWABARIには海外プラン(月額プランA 3,000円〜・B 6,000円〜、税込)があります。
- 本人確認では何を確認される?
- 犯罪収益移転防止法の取引時確認では、本人特定事項(氏名・住居・生年月日など)、取引を行う目的、職業や事業の内容などを確認します。住居の記載が必須でない旅券などを除き、本人確認書類には住居の記載が必要とされています(警察庁JAFIC資料)。
- 郵便を海外へ直接転送してもらえる?
- NAWABARIは直接海外への転送は行っておらず、国内の保証人宅へ転送し、保証人宅から海外へ送る方法だと案内しています。ほかの会社も、海外転送の可否と料金は公式で確認してください。
- 外国籍の場合は?
- GMOオフィスサポートは日本国籍を有しない方が在留カード又は特別永住者証明書を提示しない場合は登録を拒否できると利用規約に書いています。バーチャルオフィス1は、外国人は日本に住所があり長期の在留資格があることを申込条件としています。
出典・確認した一次情報
- 犯罪による収益の移転防止に関する法律(e-Gov):https://laws.e-gov.go.jp/law/419AC0000000022
- 警察庁 JAFIC 犯罪収益移転防止法の概要(令和8年8月7日時点):https://www.npa.go.jp/sosikihanzai/jafic/hourei/data/hougaiyou20260807.pdf
- 経済産業省 郵便物受取サービス業:https://www.meti.go.jp/policy/commercial_mail_receiving/
- バーチャルオフィス1 よくある質問:https://virtualoffice1.jp/faq/
- レゾナンス よくある質問:https://virtualoffice-resonance.jp/faq/
- レゾナンス 公式トップ:https://virtualoffice-resonance.jp/
- NAWABARI 料金:https://nawabari.net/price/
- NAWABARI よくある質問:https://nawabari.net/faq/
- GMOオフィスサポート 利用規約:https://www.gmo-office.com/terms/